最終更新日: 2015/07/01

今日はクラシックカメラ



重厚なケースに「IKOPHOT」の文字。

これだけで、ドイツのものだとピンときた方は、その筋では相当詳しい方に違いありません。
ケースを開けると、「ZEISS IKON」STUTTGART Germanyとケースの内側にも書かれています。



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Germanyの刻印に、”West” つまり西の刻印がないので、戦前のものだと思います。

こちらは、ツァイスの露出計。
撮影の時に、光の量を計測するための機械です。

ツァイスは、ローデンシュトック、シュナイダーなどと並ぶ、有名なドイツの光学メーカーです。


アンティークの露出計


昔々、そんなツァイスが、小型カメラのコンタックスを製造します。
このカメラ、とてもかっこよくって、ツァイスの最高技術を結集したカメラです。

小型カメラで評判のよかったライカとは、これでもかというくらいに違う設計で、持っている最新の技術を見せつけるために作ったようで面白いです。
ライカがあまりにも評判がよかったんですね~
(特許の関係という説もあり、初代コンタックスは、細かなマイナーチェンジを次々と受けていきます)




P1050725.jpg


フイルムの巻き上げノブは、ボディーの前面にあったりして、冷静に考えれば、こんなことにはならないような気もするのですが、それがまたとてもカワイイのです。
シャッターを押して、いちいちレンズの横にある大きなノブを巻き上げないといけないのだから、使うこと考えたら大変です。
でも、あるひとつの目標のためにできあがったものって、他を寄せ付けない個性的な魅力があります。
二代目になると大人しいスタイルになっていくのですが、ねぇやっぱり使いやすい方がよくない?と、世界トップの設計者たちが反省したのかも?・・・「今ごろ気づいたんかいっ!」とツッコミをいれてしまいたくなってしまい、そんなことを考えるとまた楽しいです☆


二代目以降は、おとなしくなったとはいえとてもカッコイイ☆
実用ならこのあたりの年代からが○
ただし、フイルムの巻き取り側スプールは、ボディに固定されていないので、旅先でなくしてしまわないように!

ツァイスのカメラ、コンタックスは性能では遥かにライカを超えるものを作りました。
個人的には、この頃のコンタックスはライカよりステキです☆

ただ、壊れやすい一面もありますので、専門書を熟読の上ご使用ください☆

ツァイスのカメラを愛用した有名なカメラマンはロバートキャパ。
ノルマンディー上陸作戦の際、コンタックスを使用しています。
映画『プライベートライアン』の前半部分、この上陸作戦の様子が描かれています。

ここに写真を撮ろうと、現代のものに比べるとお世辞にも使いやすいといえないコンタックスを持ったキャパがいたのです。

どうやってシャッターを切ったのか?カメラは大丈夫だったのか?
あの面倒なフイルム交換をどうやってしたのか?
キャパになりきって、このシーンを見てみると、興味は尽きず、また、恐ろしくて震えがとまりません。
生き残ったキャパは伝説になり、コンタックスは、敗戦の影響で衰退してしまいます。
かなり横道にそれましたが、この露出計はまだ、現役で動きます。



今は、デジタル化が進んで、使用する機会も減って来ているそうですが、依然照明さんには必需品だとか。
昔は、人が操作して撮影していたんですね~
今はというと、パシャリと写しておしまい♪

なんでもかんでも、機械がやってくれるのは、とても便利でありがたいのですが、そこに自分の意図したことがしっかり反映されているのか?と考えてみると、実は機械に使われてしまっているということも少なくなさそうです。

ストレートに自分の意思が反映されるような道具が、理想の様な気もします。
そのためには、ふだんから自分の意図を少しでもはっきりしていくことが必要なんだなぁ・・・と。
何ごとも、たまたまできた結果と、こうしたいと思って出た結果、形は同じでもまったくちがうような気がします。
古い道具を眺めていたら、そんなことをちょっぴり思いました。



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One thought on “今日はクラシックカメラ

  1. 憧れのブラックコンタックス

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